下大静脈転移をきたした肝細胞癌の2例―転移機序の考察

書誌事項

タイトル別名
  • Two cases of hepatocellular carcinoma with metastasis to the inferior vena cava
  • 症例報告 下大静脈転移をきたした肝細胞癌の2例--転移機序の考察
  • ショウレイ ホウコク カ ダイ ジョウミャク テンイ オ キタシタ カン サイボウガン ノ 2レイ テンイ キジョ ノ コウサツ

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抄録

症例1:66歳の男性,平成7年9月人間ドックで肝腫瘍を指摘された.精査の結果,C型肝炎およびS2, S6の肝細胞癌,下大静脈腫瘍栓と診断し,平成8年2月手術を施行した.手術所見では,肝腫瘍とは別に肝上部下大静脈壁に孤立性の腫瘍を認め,病理検査の結果,血行性転移によると思われる下大静脈転移と診断した.症例2:73歳の男性,B型肝炎の経過観察中,S4/8に肝細胞癌を認め,平成8年4月手術を施行した.その後肺転移に対して平成10年1月手術を施行した.平成15年10月には右肋骨転移を認め,放射線治療を施行したが奏効せず,残肝再発はみられないが,多発性肺転移と右心房内に腫瘍が認められた.その後肝不全のため死亡され,病理解剖で右心房内の腫瘍は,腫瘍栓の着床,浸潤によると思われる下大静脈転移と診断された.<br>

収録刊行物

  • 肝臓

    肝臓 47 (4), 223-228, 2006

    一般社団法人 日本肝臓学会

被引用文献 (2)*注記

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参考文献 (15)*注記

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