経皮的エタノール注入療法(PEIT)後に腹腔内リンパ節転移をきたした小肝細胞癌の1例

書誌事項

タイトル別名
  • A case of small hepatocellular carcinoma with intraabnominal lymph node metastasis after percutaneous ethanol injection therapy.

この論文をさがす

説明

症例は59歳, 男性. 肝硬変 (HCV陽性) で外来通院中, 急性胆 炎のため平成7年4月当科入院. 腹部超音波検査により, S6の肝表面に15×11mmのhypoechoic lesionを認め, dynamic CTにより肝細胞癌 (HCC) と診断した. 経皮的エタノール注入療法 (PEIT) を計4回 (計7.5ml) 施行し, 以後外来で経過観察していたが, AFP, CEAの上昇がみられたため精査目的で平成7年10月に再入院. 腹部CTで腹腔内リンパ節の腫脹が認められ, 放射線治療を施行するも腎不全にて平成8年1月死亡. 剖検所見より, HCCの原発部分はPEITにより完全に凝固壊死していたが, 穿刺部位の横隔膜のリンパ管には腫瘍塞栓が多数認められ, 全身のリンパ管にも同様に腫瘍塞栓がみられた. 以上の所見よりPEIT穿刺部位からのリンパ行性転移が示唆された.

収録刊行物

  • 肝臓

    肝臓 39 (3), 187-192, 1998

    一般社団法人 日本肝臓学会

被引用文献 (5)*注記

もっと見る

参考文献 (13)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ