熱中症の事前学習が熱中症既往者数に及ぼす影響

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  • 山下 直之
    公益財団法人岐阜県体育協会岐阜県スポーツ科学センター 中京大学大学院体育学研究科運動生理学研究室
  • 伊藤 僚
    日本福祉大学全学教育センター
  • 中野 匡隆
    愛知東邦大学人間学部
  • 樊 孟
    中京大学大学院体育学研究科運動生理学研究室
  • 田井村 明博
    長崎大学環境科学部
  • 松本 孝朗
    中京大学大学院体育学研究科運動生理学研究室

書誌事項

タイトル別名
  • Effects of the Lecture to Understand Heat Disorders on the Number of Patient with Previous History of Heat Disorders Investigated by Questionnaire
  • ネッチュウショウ ノ ジゼン ガクシュウ ガ ネッチュウショウ キオウシャスウ ニ オヨボス エイキョウ

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抄録

対象者の熱中症への理解度が乏しい場合,自己記入式の調査では熱中症既往者数を過小評価する可能性がある.本研究の目的は熱中症の事前教育が熱中症既往者数に影響するか否かを検討することであった.大学生 90 名を対象に,約 1 時間の熱中症教育の前後で小学校から高等学校までの熱中症既往をアンケートにて調査した.83 名(92.2%)から有効回答を得た.熱中症既往有と回答した者は,講義前 16 名(19.3%)に対して講義後では 31 名(37.3%)と有意に増加した(p<0.05).平均既往回数は,講義前 1.31±0.79 回に対して講義後 1.83±1.18 回であった(p=0.12).講義前後の既往者数の変化では,熱疲労は 4 件から 20 件(p<0.05),熱けいれんは 1 件から 7 件(p<0.05)と有意に増加したが,熱射病(2 件から 1 件)と不明(9 件から 3 件)には有意差はなかった.熱中症に関する情報を提供することで熱中症既往者数をより正確に把握できることが示唆された.

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