難治性腹水を合併した肝硬変に対して腹腔静脈シャント造設後にエンテカビルを投与した1例

書誌事項

タイトル別名
  • A case of liver cirrhosis with refractory ascites treated by peritoneovenous shunt and entecavir
  • 症例報告 難治性腹水を合併した肝硬変に対して腹腔静脈シャント造設後にエンテカビルを投与した1例
  • ショウレイ ホウコク ナンジセイ フクスイ オ ガッペイシタ カンコウヘン ニ タイシテ フククウ ジョウミャク シャント ゾウセツゴ ニ エンテカビル オ トウヨシタ 1レイ

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抄録

症例は65歳男性.B型肝炎ウイルスによる肝硬変で他院へ通院していたが,大量腹水が出現し,入退院を繰り返していた.2006年8月,当科を紹介受診し,塩分制限,利尿薬の増量,人血清アルブミン製剤点滴静注併用の腹水穿刺排液を施行したが,症状は改善せず,低ナトリウム血症が出現し,利尿薬不耐性の難治性腹水と診断した.生体肝移植の適応症例として,他院へ紹介したが,適当なドナーがみつからなかった.2006年10月,腹腔静脈シャントを造設したところ,腹水は著明に減少した.その後,核酸アナログ製剤(エンテカビル)を開始した.シャント造設3カ月後に閉塞をきたし,交換したが,その後は明らかな合併症は認めなかった.シャント造設後20カ月経過したが,Quality of life(QOL)および肝機能は改善し,現在外来通院中である.<br>

収録刊行物

  • 肝臓

    肝臓 49 (9), 426-429, 2008

    一般社団法人 日本肝臓学会

参考文献 (28)*注記

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