猪胆(乾燥猪胆囊)からの感染が疑われた急性E型肝炎の1例

書誌事項

タイトル別名
  • A case of acute hepatitis E who was suspected to have contracted hepatitis E virus infection via consumption of dried gall bladders from wild boars
  • 症例報告 猪胆(乾燥猪胆囊)からの感染が疑われた急性E型肝炎の1例
  • ショウレイ ホウコク チョタン(カンソウ チョ タンノウ)カラ ノ カンセン ガ ウタガワレタ キュウセイ Eガタ カンエン ノ 1レイ

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抄録

<p>鳥取県の山間部に居住する92歳の一人暮らしの男性が急性E型肝炎を発症した.患者には海外渡航歴や輸血歴はなく,発症前3カ月以内の豚レバーやホルモン,猪や鹿などの動物の肉や内臓の喫食歴,魚介類の生食の既往も無かった.しかし,7~8年前から猪胆(乾燥した猪の胆囊)を猟師より入手し,胆囊粉末を冷水に溶き,その胆汁液を生薬として飲用していたことが判明した.飲み残しの胆汁液はなかったが,保管されていた猪胆18個中7個からHEV RNAが検出され,患者から分離された3a型HEVと塩基配列が99.8%一致するHEVが同定された.加えて,リン酸緩衝液で溶出した10%胆汁液のHEV RNAタイターが4.6×105 copies/mlに達するものもあり,猪胆からの感染が強く疑われた.猪の肉やレバーの喫食後のE型肝炎症例はこれまでに多く報告されているが,猪胆が感染源と考えられる症例の報告は今回が初めてである.</p>

収録刊行物

  • 肝臓

    肝臓 57 (11), 606-613, 2016

    一般社団法人 日本肝臓学会

被引用文献 (2)*注記

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参考文献 (23)*注記

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