巨大な境界悪性卵巣腫瘍を合併する非代償性C型肝硬変に対して生体肝移植と卵巣腫瘍摘出術を一期的に施行した1例

書誌事項

タイトル別名
  • A case of living-donor liver transplantstion for liver cirrhosis due to hepatitis C complicated with a borderline ovarian tumor
  • 症例報告 巨大な境界悪性卵巣腫瘍を合併する非代償性C型肝硬変に対して生体肝移植と卵巣腫瘍摘出術を一期的に施行した1例
  • ショウレイ ホウコク キョダイ ナ キョウカイ アクセイ ランソウ シュヨウ オ ガッペイ スル ヒダイショウセイ Cガタ カンコウヘン ニ タイシテ セイタイ カン イショク ト ランソウ シュヨウ テキシュツジュツ オ イチゴテキ ニ シコウ シタ 1レイ

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抄録

症例は53歳の女性.C型肝硬変フォローアップ中に急速な増大傾向を示す卵巣腫瘍を認めた.術前の画像や血液検査などから境界悪性の可能性が最も高いと考えられ,切除が必要と考えられたが,非代償性肝硬変(Child-Pughスコア10点,class C)の状態での,骨盤内を大きく占める卵巣腫瘍に対する手術は,周術期のリスクが非常に高いと考えられた.結果として,一期的な卵巣腫瘍摘出術と非代償性肝硬変に対する生体肝移植を施行した.卵巣腫瘍摘出術を先行し,腫瘍を摘出した後,右葉グラフトを用いた生体肝移植術を施行した.術後経過は良好で,移植後5年の時点で卵巣腫瘍の再発は認めていない.開腹術周術期のリスクが高い肝硬変患者に肝外腫瘍が認められる場合は,各科と連携し,一期的な手術を行うことが根治治療となりうると考えられた.<br>

収録刊行物

  • 肝臓

    肝臓 51 (12), 736-741, 2010

    一般社団法人 日本肝臓学会

参考文献 (26)*注記

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