肝移植における国際貢献のあり方~第33回日本肝移植研究会における緊急特別企画~

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  • カン イショク ニ オケル コクサイ コウケン ノ アリカタ : ダイ33カイ ニホン カン イショク ケンキュウカイ ニ オケル キンキュウ トクベツ キカク

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抄録

肝移植による国際貢献としては「海外患者の日本での肝移植」や「日本人医師による海外での肝移植支援」の二つが想定されるが,日本移植学会の臓器移植に対する倫理指針は,国内患者が対象であり,このような場合を対象としていなかった.第33回日本肝移植研究会における緊急特別企画では,肝移植における国際貢献のあり方について1.海外患者の受け入れ,2.海外での肝移植の実施・協力,3.医療産業としての肝移植の3項目について討議し以下の提言をまとめた.提 言1.海外患者の肝移植や海外での肝移植協力では,国際基準であるWHOのガイドラインやイスタンブール宣言を順守し,ドナー,レシピエントの人権に最大限配慮すべきである.2.海外患者の生体肝移植では,脳死ドナーによるレスキューの可否など,諸問題を解決すべきである.3.海外患者の生体肝移植を医療産業として位置付けるには,付随する倫理的かつ経済的問題を解決すべきである.4.海外における肝移植協力では手術だけではなく,術前・術中・術後管理,移植ネットワークの構築など,医療システムのパッケージとして捉え支援すべきである.5.肝移植における国際貢献を推進するためにも,医療界と社会が協働し,脳死下の臓器提供を推進すべきである.

収録刊行物

  • 肝臓

    肝臓 56 (11), 555-566, 2015

    一般社団法人 日本肝臓学会

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