糖尿病コントロール後に自然退縮した肝細胞癌の1症例

書誌事項

タイトル別名
  • Spontaneous regression of hepatocellular carcinoma after improving diabetes mellitus: possibly responsible for immune system
  • トウニョウビョウ コントロール ゴ ニ シゼンタイシュクシタ キモ サイボウガン ノ 1 ショウレイ

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説明

症例は60歳代,男性.8年前に肝細胞癌に対し肝部分切除術が施行された.平成23年2月の精査で肝S4/8とS6に再発が認められたため手術予定となった.糖尿病のコントロールが悪くHbA1cが8%台と長期間高値であったため術前にdi-peptidyl peptidase-IV(以下DPP-4)阻害薬内服によりコントロールを行った.DPP-4阻害薬内服前の腫瘍最大径はダイナミックCTでS4/8が5.0 cm,S6が2.5 cmであったが,内服開始3週間後のダイナミックCTでは腫瘍最大径はS4/8が2.5 cm,S6が2.0 cmと縮小した.AFPとPIVKA-IIはDPP-4阻害薬内服後に著明に低下した.病理組織学検査で肝細胞癌内に著明なリンパ球浸潤を認め,免疫組織化学染色で浸潤リンパ球はCD8陽性T細胞であった.免疫応答が強く関与していると考えられる肝細胞癌自然退縮の1例を経験した. <br>

収録刊行物

  • 肝臓

    肝臓 53 (3), 164-174, 2012

    一般社団法人 日本肝臓学会

被引用文献 (7)*注記

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参考文献 (76)*注記

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