経頸静脈的肝生検(TJLB)の有用性に関する後ろ向き検討

書誌事項

タイトル別名
  • The efficacy of transjugular liver biopsy (TJLB); a retrospective analysis
  • ケイ ケイ ジョウミャクテキ カンセイケン(TJLB)ノ ユウヨウセイ ニ カンスル ウシロ ムキ ケントウ

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抄録

経頸静脈的肝生検(Transjugular liver biopsy;TJLB)は経皮的肝生検(Percutaneous liver biopsy;PLB)適応外例での代替生検法と認識されている.今回当院にてTJLBを実施した10例で,その選択理由とTJLBで得られた生検組織の診断能を後ろ向きに検討した.TJLBの主な選択理由は凝固異常(血小板数・プロトロンビン時間低値)5例(うち有腹水2例),腹水貯留4例,高ビリルビン血症1例であった.生検組織により,7例(アミロイドーシス,非アルコール性脂肪肝炎,結核,薬物性肝障害,原発性胆汁性肝硬変,悪性リンパ腫,成人T細胞性白血病/リンパ腫の肝浸潤)で確定診断された.その他の3例も線維化・肝硬変などの補助的な所見が得られた.有害事象は頸静脈刺入部の止血遅延1例のみであった.TJLBは主にPLBが適応にならない凝固異常,腹水貯留患者で安全に実施された.

収録刊行物

  • 肝臓

    肝臓 57 (6), 280-286, 2016

    一般社団法人 日本肝臓学会

参考文献 (25)*注記

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