主病巣の完全自然壊死後に肝内転移巣のみ残存した肝細胞癌の一例

書誌事項

タイトル別名
  • A case of complete spontaneous necrosis with residual intrahepatic metastasis of hepatocellular carcinoma
  • 症例報告 主病巣の完全自然壊死後に肝内転移巣のみ残存した肝細胞癌の一例
  • ショウレイ ホウコク シュ ビョウソウ ノ カンゼン シゼン エシ ゴ ニ カン ナイ テンイ ソウ ノミ ザンソン シタ カン サイボウ ガン ノ イチレイ

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抄録

<p>今回われわれは主病巣の完全自然壊死後に肝内転移巣のみ残存した非常に稀な肝細胞癌症例を経験した.症例は59歳,男性.アルコール性肝障害および十二指腸潰瘍で近隣病院にてフォローを受けていたが,CT検査で肝S8に1.5 cmの結節影が出現し当院に紹介となった.肝EOB-MRI検査およびダイナミックCT検査で動脈相で濃染,門脈相でwash outされる1.5 cmの結節像をS8に認めた.肝細胞癌と診断し肝S8亜区域切除術を施行した.病理組織学的所見では,結節は周囲との境界は比較的明瞭で肝細胞癌を疑う腫瘍性病変と考えられたが,肝細胞が脱落して炎症性肉芽組織に置換されておりviableな腫瘍細胞はみられなかった.その近傍に約0.2 cmの中分化型肝細胞癌の増殖が認められた.1.5 cmの結節は肝細胞癌が自然壊死に至った主病巣であり0.2 cmの肝内転移巣のみが残存したものと考えられた.</p>

収録刊行物

  • 肝臓

    肝臓 58 (3), 170-175, 2017

    一般社団法人 日本肝臓学会

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (9)*注記

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