わが国におけるアルコール性肝硬変の実態とその進展因子に関する検討

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タイトル別名
  • Current status of alcoholic liver cirrhosis and factors involved in the progression
  • ワガクニ ニ オケル アルコールセイ カンコウヘン ノ ジッタイ ト ソノ シンテン インシ ニ カンスル ケントウ

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説明

わが国におけるアルコールの総消費量は,最近は若干の減少傾向を示しているが,全肝疾患におけるアルコール性肝障害の比率は上昇している.今回,アルコール性肝硬変患者の飲酒量,飲酒期間を全国調査し,性差,肥満,糖尿病などの合併症の影響についても検討した.アルコール性肝硬変1207例について検討したところ,女性は男性より常習飲酒期間が有意に短かった.肥満(BMI 25以上),糖尿病の有病率は,常習飲酒群(一日飲酒量60-110 g)が大量飲酒群(一日飲酒量110 g以上)より有意に高かった.また,糖尿病の合併率は,男性が女性より高く,特に常習飲酒群では男性が45.2%であったのに対し,女性は16.7%と著明に少なかった.一方,これらの合併症のない群では,男性では85.6%が大量飲酒群で,常習飲酒群は14.4%と少数であった.糖尿病,肥満などの生活習慣病が,アルコール性肝硬変の進展に関与していることが示唆された.女性はそれらとは独立したアルコール性肝硬変の危険因子であることが示唆された.<br>

収録刊行物

  • 肝臓

    肝臓 50 (9), 507-513, 2009

    一般社団法人 日本肝臓学会

被引用文献 (4)*注記

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参考文献 (24)*注記

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