特集 微粉末・微粒子・超微粒子技術 生体内超音波センサ・アクチュエータとしての含気マイクロカプセル

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タイトル別名
  • Fine powder, fine particles and ultra fine particles. Microballoon as ultrasonic sensor-actuator in vivo.
  • セイタイナイ チョウオンパ センサ アクチュエータ トシテノ ガン キ マイク

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抄録

含気マイクロカプセルを用いると非接触に超音波による圧計測 (PEPA) や高精度変位計測 (HsDSE) あるいは血流やカプセル自身の流線描出 (2D-MTI)などの計測が可能であり, その素材や粒径を選択すれば任意の共振周波数を設定できることを実験的に示し, これをDDS-carrierに応用すると薬物の種類に関係なく制御を行い得る可能性を紹介した.<BR>生体内で安全に用い得る含気マイクロカプセルの直径はAlbunexと同様に数μm (1~8μm) であるが, 都合のよいことにこのサイズでの理論的実験的に予想される共振周波数は約1~7MHz程度と, 生体内における超音波減衰特性と画像分解能から必然的に決定する医用超音波計測での使用可能周波数帯域と偶然にも一致する.<BR>薬物移動と濃度あるいは圧分布をモニタし, それらに基づいて薬剤放出を行うDDSは, あらかじめプログラムされた通りに薬物放出を行う従来の化学的なDDSに対し, 物理的に外部からコントロールできるマイクロアクチュエータである.定量的計測・制御に使える生体用精密マイクロカプセルは現時点では未完成であるが, Albunexの出現で大きく前進したごとく, 近い将来高精度な生体用マイクロカプセルが完成することと思われる.

収録刊行物

  • 精密工学会誌

    精密工学会誌 56 (12), 2152-2155, 1990

    公益社団法人 精密工学会

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