ウイルムス腫瘍と脳腫瘍の合併例 : 自験例ならびに集計例の検討

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  • Combiantion of Wilsm Tumor and Brain Tumor : A Case Report With Review of Literatures

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抄録

腎芽腫と脳腫瘍の合併例を経験した.症例は5ヵ月男児で,生後より顔面神経麻痺であった.生後4ヵ月時に右側脳室腫瘍と小脳腫瘍の診断のもと摘出術を受け,それぞれ PNET, 髄芽腫と診断された.5ヵ月時腹部腫瘤に気付き両側賢芽腫と診断された.術前 AM-D,VCR を投与後摘出術がなされた.大きさは左右それぞれ8.5×6.0cm 110g, 4.5×4.0cm 40gであった.リンパ節転移は認めなかった.組織学的には腎芽腫の不全型,その他と診断されたが賢明細胞肉腫や腎横紋筋肉腫様腫瘍との鑑別が必要と思われた.術後化学療法, 30Gy の全脳放射線照射がなされたが,最初の手術後4ヵ月で賢芽腫の再発により死亡した.剖検では多発性肺転移,局所再発,腹腔内播種性転移,また脳腫瘍の微小な髄内播種性転移が認められた.日本語,英語論文より15例の賢芽腫と脳腫瘍の合併例を集めた.大半は横紋筋肉種様腫瘍と Roke の言うところの PNET の合併例であり,予後は不良であった.

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