女性化乳房を合併した Peutz-Jeghers 症候群の 1 例

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  • Peutz-Jeghers Syndrome With Gynecomastia : A Case Report

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抄録

女性化乳房を伴ったPeutz-Jeghers症候群の男児を経験した.この合併は極めて稀であり, 本邦での報告は文献上検索し得なかった.症例は, 7歳男児.家族歴として母がPeutz-Jeghers症候群(以下P-J症候群)と診断されている.口唇, 口腔粘膜に色素沈着を認め, 1歳時に他院にて大腸ポリープ切除術施行され, P-J症候群と診断されている.6歳時より乳房の腫大に気付かれ, 7歳時に女性化乳房にて乳腺切除術及び精巣生検を施行された.8歳時より腹痛, 嘔吐出現し, 精査したところ, 小腸に4cm大のカリフラワー状のポリープが2個, 横行結腸に2cm大のポリープが1個認められた.開腹下に内視鏡を併用し, 腸切を含み全てのポリープを切除した.女性化乳房を合併するP-J症候群の報告は英文報告で19例のみ検索し得た.精巣における病変としてセルトリ細胞腫のintratubular Sertoli cell proliferation (ISCPs)の像は, 自験例を含め全例に共通した所見であり, 女性化乳房の原因とされる.また基本的には良性と考えて良いが, 悪性化の可能性も有り, 腸管のpolyposisのみならず, 精巣のfollow upも重要である.

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参考文献 (11)*注記

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