von Hippel-Lindau(VHL)遺伝子の生殖細胞変異を伴った傍神経節腫の1例

書誌事項

タイトル別名
  • Paraganglioma With a Germline Mutation of the von Hippel Lindau (VHL) Gene: Report of a Case
  • 症例報告 von Hippel-Lindau(VHL)遺伝子の生殖細胞変異を伴った傍神経節腫の1例
  • ショウレイ ホウコク von Hippel Lindau VHL イデンシ ノ セイショク サイボウ ヘンイ オ トモナッタ ボウ シンケイセツ シュ ノ 1レイ

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説明

症例は15歳,女児.褐色細胞腫または傍神経節腫の疑いで当院を紹介受診した.腹部CT検査で左後腹膜腫瘤と多発性膵嚢胞,^<123>I-metaiodobenzylguanidineシンチグラフィで左後腹膜腫瘤に一致して集積像を認めた.開腹腫瘍生検術で,傍神経節腫と診断した.左腎静脈は腫瘍に巻き込まれており,左腎合併切除を伴う腫瘍完全切除を施行した.本症例はvon Hippel-Lindau(VHL)病の関与が考えられ,VHL遺伝子の変異とその発現を検討した.本症例では非腫瘍部腎臓組織でVHL遺伝子の生殖細胞変異を認め,さらに腫瘍組織で体細胞変異を2か所に認めた.また同遺伝子の発現は,腫瘍組織で消失していた.以上より本症例は,VHL病と考えられた.傍神経節腫において,VHL病の診断基準を満たさなくとも,VHL病の関与する症例が存在し,慎重な全身検索と経過観察が重要と考えられた.

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参考文献 (15)*注記

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