多期手術により両側腎機能を温存できた両側性Wilms腫瘍の1例

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タイトル別名
  • Renal Salvage Surgery in Synchronous Bilateral Wilms' Tumor
  • 症例報告 多期手術により両側腎機能を温存できた両側性Wilms腫瘍の1例
  • ショウレイ ホウコク タキ シュジュツ ニ ヨリ リョウソク ジンキノウ オ オンゾン デキタ リョウソクセイ Wilms シュヨウ ノ 1レイ

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抄録

症例は,9か月男児.顔色不良と右腹部腫瘤を主訴に来診した.単純CTにて右腎に10.5×9cm大の腫瘤と左腎門部の小腫瘤を認め,両側性Wilms腫瘍が疑われた.開腹生検にて両側の腫瘍ともmesenchymal typeのnephroblastomaと診断され,化学療法での縮小効果が消失したため手術となった.巨大な右腎腫瘍は,腎の外側にあり,腎実質を温存した完全摘出が可能と思われたが,左側は腎門部に存在し腎全摘の必要性も考えられた.このためまず,正常組繊を温存しつつ右腎腫瘍の全摘を行った.化学療法を追加後に左腎腫瘤も完全摘出し,術後も化学療法を続け治療を終了した.レノグラムで腎機能を適時評価しながら治療を進めた.治療終了後2年6か月経過したが,腫瘍の再発なく両腎機能はほぼ正常に保たれている.

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参考文献 (15)*注記

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