近赤外線分光法によるFGR児の胎盤酸素動態の評価に関する研究

書誌事項

タイトル別名
  • EVALUATION OF FGR BY NEAR-INFRARED SPECTROSCOPY
  • キンセキガイセン ブンコウホウ ニ ヨル FGRジ ノ タイバン サンソ ドウタイ ノ ヒョウカ ニ カンスル ケンキュウ

この論文をさがす

説明

近赤外線分光法 (near-inrared spectroscopy: 以下NIRS) を用いて非侵襲的に胎盤の酸素化動態を計測し, 胎盤機能の評価に有用であるかを検討した.対象は, 2006年から2007年まで昭和大学病院産婦人科において診療した妊娠18週から41週までの妊婦で, 胎盤機能不全が原因と思われる胎児発育不全 (fetal growth restriction: FGR) 群26人 (計45回測定) と正常発育 (appropriate for gestational age: AGA) 群195人 (計222回測定) である.計測装置は浜松ホトニクス社製近赤外線分光測定装置 (NIRO300) で, 近赤外線センサーを胎盤直上の腹壁に装着し, 酸素化の指標として組織ヘモグロビン酸素飽和度 (Tissue Oxygenation Index: TOI=酸素ヘモグロビンHbO2/総ヘモグロビンtotal Hb) を測定して, 妊娠週数FGRの重症度胎盤重量, および臨床的な胎盤機能の指標として報告されている出生時児体重/分娩時胎盤重量との関係を解析した.多胎妊娠母体合併症児の染色体異常・奇形例は除外した. (1) TOIは児推定体重の標準偏差値 (EFW-SD) と負の相関を認めた. (2) TOIは胎盤重量, 児出生体重 (B) /胎盤重量 (P) 比と負の相関を認めた.以上より, TOIがFGRの重症度と関連すること, およびTOIが胎盤機能の評価に有用であることが示唆された.

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ