恥骨結合上縁高CT画像観察による骨格筋の加齢的変化: 体運動との関連の考察

書誌事項

タイトル別名
  • AGE RELATED CHANGES OF THE PELVIC MUSCLE AT SYMPHYSIS LEVEL BY CT: RELATIONSHIP BETWEEN MUSCLE COMPOSITION AND BODY MOVEMENT
  • チコツ ケツゴウ ジョウエン コウCT ガゾウ カンサツ ニ ヨル コッカクキン ノ カレイテキ ヘンカ : カラダ ウンドウ ト ノ カンレン ノ コウサツ

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説明

恥骨結合上縁高CT写真について骨盤周囲筋の断面の加齢的変化を観察し, ヒトの運動機能の年齢的推移との関連を考察した.対象は20歳代から70歳代にわたる137名 (男性76名, 女性61名) で, 筋の計測は大殿筋, 中殿筋, 大腿筋膜張筋, 腸腰筋, 大腿直筋, 縫工筋, 恥骨筋の7筋である.結果は次の通りである.CT断面写真上の組織構成比は男性では加齢的に筋組織は減少, 脂肪組織は増加の傾向を示したが, 女性では加齢にともなった筋組織, 脂肪組織の変化は少なく, 筋周囲の脂肪組織の増加が男性よりも顕著であった.各筋の断面積比は男女とも大殿筋は60%前後で大部分を占め, 中殿筋と腸腰筋は10%前後, 大腿筋膜張筋は6%, その他は5%以下であった.大殿筋の厚さは高齢者で減少する傾向が見られた.男性について, 20歳代の筋断面積平均値を基準として各年代を比較すると, 30歳代では大殿筋と縫工筋は65%, 大腿直筋と大腿筋膜張筋は60%以下であり, 30歳代における顕著な運動力減退を示唆した.また, 腸腰筋, 恥骨筋および中殿筋は50歳代で70%~60%, 70歳代で60%~50%となり, これらの筋の解剖学的位置関係から推して50歳代から歩幅の減少, 歩隔 (左右の足位置の幅) の増大, 下肢支持不安定等を現すことが考えられた.女性については30歳代基準の比率で比較すると, 大腿直筋と恥骨筋は40歳代から低下し, 70歳代で60%以下となり, 男性とほぼ等しい値を示した.その他は40歳代, 50歳代, 60歳代で増大したのち低下し, 70歳代では男性に近い値を示した.

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