診療科長のオピニオンによる山口県の必要医師数の推計

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タイトル別名
  • Required Number of Physicians by Specialty in Yamaguchi Prefecture Based on Opinions of Hospital Department Chiefs
  • シンリョウカチョウ ノ オピニオン ニヨル ヤマグチケン ノ ヒツヨウ イシスウ ノ スイケイ

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抄録

【目的】医師の地域および診療科別偏在の解消のためには,必要と考えられる医師数を把握する必要がある.本研究は,山口県内病院の診療科長のオピニオンをもとに,各診療科・医療圏別の必要医師数ならびに山口県全体の専門医研修(後期研修)医に相当する必要医師数の調査を行った.【方法】山口県内全病院の病院長を通じて診療科長に調査用紙を配布し,その診療科における二次医療圏別必要医師数ならびに専門医研修医(後期研修医:前期研修終了後5-6年間の医師)に相当する医師数を調査した.調査は,デルファイ法に準じ,2回調査を行い,1回目の調査結果を2回目に配布した.【結果】ほとんど診療科で必要医師数が現在医師数を上回っており,特に不足感の強かった診療科は,呼吸器科,神経内科,形成外科,呼吸器外科,リハビリテーション科,麻酔科,救命救急科であった.合計としては,425名の不足があった(現在数2369,必要数2794).専門医研修(後期研修)医に相当する医師(1年あたり)の必要数は,内科20,外科12,精神科・神経科,小児科,整形外科,産婦人科,麻酔科,救命救急科各6,脳神経外科,眼科,耳鼻咽喉科,泌尿器科,放射線科各4,皮膚科,リハビリテーション科各3,形成外科2となった.【結論】結果は慎重に解釈し,さらに専門家間で議論する必要があるが,医師の地域および診療科別偏在を解消するためには,これらの数値を参考にしながら,山口県全体として,後期研修プログラムの充実を図るなどによって,診療科別地域別の必要数を充足することが必要である.

収録刊行物

  • 山口医学

    山口医学 58 (4), 149-154, 2009

    山口大学医学会

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (18)*注記

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