日本語版CAM-ICUフローシートの妥当性と信頼性の検証

DOI Web Site Web Site 参考文献23件 オープンアクセス
  • 古賀 雄二
    山口大学大学院医学系研究科臨床看護学分野(臨床看護学)
  • 村田 洋章
    東京慈恵会医科大学医学部看護学科 成人看護学
  • 山勢 博彰
    山口大学大学院医学系研究科臨床看護学分野(臨床看護学)

書誌事項

タイトル別名
  • Validity and Reliability of the Japanese Version of the Confusion Assessment Method for the Intensive Care Unit Flowsheet(CAM-ICU Flowsheet)
  • ニホンゴバン CAM-ICU フローシート ノ ダトウセイ ト シンライセイ ノ ケンショウ

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説明

目的:せん妄はICU患者の入院期間延長や生命予後悪化につながるが,スクリーニングされずに見落とされ,治療されないことも多い.Confusion Assessment Method for the Intensive Care Unit(CAM-ICU)は,ICUでのせん妄評価法として国際的に認められた方法である.CAM-ICUには評価手順を効率化したConfusion Assessment Method for the Intensive Care Unit Flowsheet(CAM-ICUフローシート)が作成されている.本研究は日本語版CAM-ICUフローシートの妥当性・信頼性の検証を目的とする.研究方法:日本の2ヵ所の大学病院ICUで実施された.妥当性評価として,精神科医が評価するDSM-IV-TR(Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders, 4th edition, Text Revision)をせん妄診断の標準基準として,リサーチナースおよびスタッフナースの日本語版CAM-ICUフローシート評価と比較し,感度・特異度を算出した.また,リサーチナースとスタッフナースの日本語版CAM-ICUフローシートの評価を比較し,評価者間の信頼性を評価した.結果:評価対象者数は82名であり,DSM-IV-TRでのせん妄有病率は22.0%であった.興奮・鎮静度はRASS(Richmond Agitation Sedation Scale)-0.33~-0.28であった.DSM-IV-TRに対するリサーチナースとスタッフナースの日本語版CAM-ICUフローシート評価結果は,感度が78%と78%,特異度が95%と97%であった.日本語版CAM-ICUフローシートに関するリサーチナースとスタッフナースの評価者間の信頼性は高かった(κ=0.81).結論:日本語版CAM-ICUフローシートは,せん妄診断の標準基準(DSM-Ⅳ-TR)に対して妥当性を有し,評価者間の信頼性も高く,ICUせん妄評価ツールとして使用可能である.

収録刊行物

  • 山口医学

    山口医学 63 (2), 93-101, 2014

    山口大学医学会

参考文献 (23)*注記

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