書誌事項
- タイトル別名
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- A Case of Herpes Zoster Treated with Acyclovir
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説明
帯状庖疹 (以下HZ) は, 脳神経あるいは脊髄神経支配領域に一致して片側性に発疹を生じる疾患である.これまでHZに対する的確な治療はなく, そのため種々の対症療法が行われてきた.今回われわれは, 三叉神経第1枝および第II枝領域に生じたHZの患者に最近開発された抗ウイルス剤のAcyclovir (以下ACV) を使用し, 良好な治療効果を得たのでその概要を報告する.患者は32歳の男性で, 左側顔面部の腫脹と疹痛を主訴に来院した.口腔内にも口蓋および頬粘膜に潰瘍が多発しており, 接触痛が強く食物摂取が困難であった.治療は入院のうえACV (7.5mg/kg) を1日2回7日間点滴投与した.その結果, ACV投与開始後2-3日で顔面の腫脹・疼痛は軽減し, 口腔の潰瘍も消失した.さらに投与7日目にはほとんどの症状が軽快した.以上のことより, ACVが帯状庖疹の治療にきわめて有用であることが確認された.
収録刊行物
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- The Journal of Showa University Dental Society
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The Journal of Showa University Dental Society 7 (2), 213-217, 1987
昭和大学・昭和歯学会