術後アンケートによる手掌多汗症手術症例の検討

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  • QUALITY OF LIFE AFTER ENDOSCOPIC THORACIC SYMPATHECTOMY FOR PRIMARY PALMAR HYPERHIDROSIS

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手掌多汗症に対する内視鏡下胸部交感神経遮断術 (ETS) 施行後の症例に対してアンケート調査を行い, 回答を得た15例を検討した.手掌多汗は術後完全停止が60%, 微量発汗が33%であった.手掌多汗症例の53%にみられた腋窩多汗は, その38%に発汗減少を認めた.足底多汗は手掌多汗症例の93%にみられ, ETSはこれに対して無効であった.術後躯幹の代償性発汗は93%にみられ, 「激しくて困る」が33%, 「激しいが我慢できる」が67%であった.手術創は93%で「満足」と評価された.QOLの改善を80%で認め, 「手術を受けなければよかった」とする症例はなかったが, 「代償性発汗に終始悩まされている」と回答するものもあった.「知っていればもっと早く手術を受けたかった」とするものが大多数であり, 「開業医にETSの存在を知らせてほしい」という意見もあった.代償性発汗はほぼ必発であり, これまで以上に, 術前からその存在と対処方法を十分に理解させる必要があるものと思われた.

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