肩関節授動術と術後リハビリテーションに超音波ガイド下持続腕神経叢ブロックが有効であった一例

DOI Web Site Web Site Web Site 参考文献16件 オープンアクセス
  • 坂本 誠史
    独立行政法人地域医療機能推進機構徳山中央病院 麻酔科
  • 中西 俊之
    独立行政法人地域医療機能推進機構徳山中央病院 麻酔科
  • 吉村 学
    独立行政法人地域医療機能推進機構徳山中央病院 麻酔科
  • 鳥海 岳
    独立行政法人地域医療機能推進機構徳山中央病院 麻酔科
  • 長弘 行雄
    独立行政法人地域医療機能推進機構徳山中央病院 整形外科
  • 住浦 誠治
    独立行政法人地域医療機能推進機構徳山中央病院 整形外科

書誌事項

タイトル別名
  • Continuous Interscalene Brachial Plexus Block for Shoulder Mobilization and Rehabilitation
  • カタカンセツ ジュドウジュツ ト ジュツゴ リハビリテーション ニ チョウオンパ ガイドカ ジゾク ワンシンケイソウ ブロック ガ ユウコウ デアッタ イチレイ
  • 症例報告 肩関節授動術と術後リハビリテーションに超音波ガイド下持続腕神経叢ブロックが有効であった一例
  • ショウレイ ホウコク カタカンセツジュドウジュツ ト ジュツゴ リハビリテーション ニ チョウオンパ ガイド カ ジゾク ワン シンケイソウブロック ガ ユウコウ デ アッタ イチレイ

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抄録

<p>肩関節授動術に対し超音波ガイド下に持続腕神経叢ブロックを施行したことで,術後鎮痛に加え良好なリハビリテーション経過を得られた一例を経験した.</p><p> 患者は60歳代の男性,3ヵ月前に左上腕骨大結節骨折に対する観血的骨接合術を施行され,術後の肩関節拘縮に対して抜釘と観血的関節授動術を予定された.麻酔方法として全身麻酔に持続腕神経叢ブロックを併用する方針とした.神経ブロックは斜角筋間アプローチで行い,患側第5および第6頸神経根の間に0.375%レボブピバカイン15mLを単回注入し,カテーテル(Contiplex® C)を留置した.手術中の鎮痛効果は良好であった.手術終了直後から0.2%ロピバカイン6mL/hの持続注入を開始した.術後当日は肩から肘関節にかけて運動麻痺が見られたが,翌朝からは回復傾向となり以降患側上肢は徒手筋力テスト4~5で経過した.疼痛はVisual Analogue Scale(VAS)で安静時0~20mm,リハビリテーション時26~65mmで経過した.持続ブロック中の追加鎮痛薬はロキソプロフェンを1錠内服したのみであった.術後3日目にカテーテルを抜去し,以降特に問題なく経過して術後13日目に退院した.</p><p> 肩関節手術後の強い疼痛は非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)やオピオイドを用いてもコントロールが難しい.強い疼痛は心筋虚血や無気肺などの術後合併症の原因となるほか,リハビリテーションの妨げとなる可能性がある.そのため高い鎮痛効果をもつ持続腕神経叢ブロックが有用であるが,運動神経遮断を伴うとやはりリハビリテーションに不都合である.本症例では術翌日から筋力を維持しつつリハビリテーション時を含めた有効な疼痛コントロールを行うことができた.Contiplex? Cは単孔式の外筒を留置する形状(Catheter-Over-Needle)である.本製品は穿刺部位からの薬液漏出を防いでカテーテルの固定性を良好に保つことができ,効果的な持続留置に有用であった.</p>

収録刊行物

  • 山口医学

    山口医学 66 (1), 31-36, 2017

    山口大学医学会

参考文献 (16)*注記

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