新生仔ラット培養心筋細胞への高頻度電気刺激負荷によるギャップ結合蛋白発現修飾の検討  MAPキナーゼとアンギオテンシンII受容体きっ抗薬との関連について

  • 井上 宣子
    山口大学医学部応用医工学系・内科学第二講座
  • 大草 知子
    山口大学医学部応用医工学系・内科学第二講座
  • 名尾 朋子
    山口大学医学部応用医工学系・内科学第二講座
  • 李 鍾国
    名古屋大学環境医学研究所循環器分野
  • 松本 奉
    山口大学医学部応用医工学系・内科学第二講座
  • 久松 裕二
    山口大学医学部応用医工学系・内科学第二講座
  • 佐藤 孝志
    山口大学医学部応用医工学系・内科学第二講座
  • 矢野 雅文
    山口大学医学部応用医工学系・内科学第二講座
  • 安井 健二
    名古屋大学環境医学研究所循環器分野
  • 児玉 逸雄
    名古屋大学環境医学研究所循環器分野
  • 松崎 益徳
    山口大学医学部応用医工学系・内科学第二講座

書誌事項

タイトル別名
  • Rapid Electrical Stimulation of Contraction Modulates Gap-Junction Protein in Neonatal Rat Cultured Cardiomyocytes Involvement of Mitogen-Activated Protein Kinases and Effects of Angiotensin II-Receptor Antagonist
  • ミニ・レビュー 小西賞受賞者 新生仔ラット培養心筋細胞への高頻度電気刺激負荷によるギャップ結合蛋白発現修飾の検討 MAPキナーゼとアンギオテンシン2受容体拮抗薬との関連について
  • ミニ レビュー コニシショウ ジュショウシャ シンセイシラット バイヨウ シンキン サイボウ エ ノ コウヒンド デンキ シゲキ フカ ニ ヨル ギャップ ケツゴウ タンパク ハツゲン シュウショク ノ ケントウ MAP キナーゼ ト アンギオテンシン 2 ジュヨウタイ キッコウヤク ト ノ カンレン ニ ツイテ

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抄録

心筋細胞間のギャップ結合の発現・分布はコネキシン蛋白の半減期が短いことにより様々な病態において直ちに変化しうる.高頻度電気刺激 (RES) によるギャップ結合リモデリングへの効果はいまだ明らかにされていない.<br>培養5日目のラット心室筋細胞に120分間3HzのRESを負荷した.RESによりCx43蛋白質および遺伝子発現量は60分後には有意に増加した.免疫染色においても同様の結果であった.心筋細胞中のangiotensinII (AngII) は15分後に約2倍に上昇した.MAPK系のリン酸化型ERKは2峰性に5分と60分で,またリン酸化型JNKも15分と60分で著明に活性化された.リン酸化型p38 MAPKは5分後に1峰性に活性化された.細胞外電位記録法により心筋細胞の興奮伝播特性の変化を解析したところ,RESにより伝導速度は有意に増加した.これらの変化はlosartanにより抑制された.RESによるCx43の発現増加はまたERK,p38の特異的阻害剤にても抑制された.<br>RESは,早期より心筋細胞内のAngII産生を増加し,MAPK系を活性化することによりCx43発現量を増加させた.その結果,細胞間の刺激伝播異常を引き起こし,不整脈基質の一つとなる可能性が示された.

収録刊行物

  • 山口医学

    山口医学 54 (4), 109-115, 2005

    山口大学医学会

被引用文献 (2)*注記

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参考文献 (35)*注記

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