運動がラット視床下部β-エンドルフィン産生におよぼす作用

書誌事項

タイトル別名
  • THE INFLUENCE OF EXERCISE INTENSITY, FREQUENCY, AND DURATION, ON BETA-ENDORPHIN PRODUCTION IN RAT HYPOTHALAMUS
  • ウンドウ ガ ラット シショウ カブ ベータ エンドルフィン サンセイ ニ オヨボス サヨウ

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説明

マラソンなどの比較的強度の高い運動や, ウェイトトレーニングのような抵抗運動によって, ヒトの体内からβ-エンドルフィン (BE) が産生されることが知られている.一般に, BEはストレス抵抗ホルモンとして, 苦痛を軽減したり多幸感をヒトに与えたりする働きがあるとされている.BE産生の主な部位は脳内であるが, これまでの研究ではヒトの静脈血中のBEが測定されてきた.また。持久的運動や抵抗運動など, 運動様式の違いがBEに及ぼす影響を検討されているが, 運動の要素である強度, 頻度, 期間に関する検討はされていない.そこで本研究では直接脳内の分析が可能なラットを使用し, トレッドミル上で走運動を行わせ, 強度頻度期間の3つの条件が視床下部BEに与える影響を検討した.その結果, 強度については, 20m/minの速度では, 変化が認められなかったものの, 25m/min以上の速度で明らかな増加が認められた.頻度については, 低強度とされる10m/minの速度で1日2回および3回行わせた群では変化を認めなかったものの, 中程度とされる20m/minの速度では1日2回および3回とも明らかな増加が認められた.期間については, 7・14・21日間の運動負荷群で明らかな増加が認められた.また, 28日間の運動群では7日間の群と比較して有意な増加を認めた.以上の結果から視床下部BE量に対し, 運動強度・頻度・期間の条件を変えることが影響することが明らかになった.また, 健康分野やリハビリテーション分野に用いられている運動指導プログラム作成に寄与することが期待される.

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