鼠径ヘルニア嵌頓の疑いから発見された多発肺転移を有する会陰部原発孤立性線維性腫瘍の新生児例

  • 道傳 研太
    石川県立中央病院いしかわ総合母子医療センター小児外科
  • 崎村 祐介
    石川県立中央病院いしかわ総合母子医療センター小児外科
  • 古谷 裕一郎
    石川県立中央病院いしかわ総合母子医療センター小児外科
  • 廣谷 太一
    石川県立中央病院いしかわ総合母子医療センター小児外科
  • 下竹 孝志
    石川県立中央病院いしかわ総合母子医療センター小児外科

書誌事項

タイトル別名
  • Solitary Fibrous Tumor of the Vulva With Multiple Lung Metastases Mimicking Inguinal Hernia in a 4-Day-Old Neonate: A Case Report
  • 症例報告 鼠径ヘルニア嵌頓の疑いから発見された多発肺転移を有する会陰部原発孤立性線維性腫瘍の新生児例
  • ショウレイ ホウコク ソケイ ヘルニアカントン ノ ウタガイ カラ ハッケン サレタ タハツ ハイ テンイ オ ユウスル エインブ ゲンパツ コリツセイ センイセイ シュヨウ ノ シンセイジレイ

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抄録

<p>症例は日齢4の女児.出生時より左陰唇部に腫瘤を認め,超音波所見から左外鼠径ヘルニアの疑いで当科に紹介された.初診時,左大陰唇部皮下に15 mm大の弾性軟の腫瘤を認め,還納は困難であった.腹部CTでは左陰唇部皮下に18×14×14 mm大の腫瘤性病変が確認されたが,腹腔内との連続は認めなかった.MRIのT1強調画像で低信号,T2強調画像で不均一な高信号を呈し,横紋筋肉腫が疑われた.胸部CTで右上下葉に肺転移を認めた.日齢11に施行した左陰唇部腫瘍全摘術では腫瘍は大陰唇の上皮層に達する楕円体として存在し,膜様に上皮を剥離することで腫瘍の残存なく摘出した.術後病理は孤立性線維性腫瘍であった.孤立性線維性腫瘍は成人の全身に発生しうる中間悪性の軟部腫瘍であるが,会陰部での発生は稀とされる.これまでに新生児での孤立性線維性腫瘍の報告はなく,文献的考察を加え報告する.</p>

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