Monoamine Oxidaseに関する研究 (第70報) 牛肝臓MAOに対する凍結保存中のNaClの影響

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タイトル別名
  • EFFECT OF SODIUM CHLORIDE ON BEEF LIVER MAO DURING STORAGE IN FROZEN STATE
  • Monoamine Oxidaseに関する研究-70-牛肝臓MAOに対する凍結保存中のNaClの影響
  • Monoamine Oxidase ニカンスルケンキュウ 70 ウシ カンゾウ

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抄録

牛肝臓homogenateに含まれるMAOの凍結保存中における安定性について検討した.MAO活性の測定にはMcEwenのbenzylamine法を一部改良して用いた.牛肝臓より0.25M sucrose, 純水にて1, 000倍の希釈度のhomogenateを作製し, -20℃にて1週間凍結保存した場合にはMAO活性に何ら変化は認められなかったが, これを生食で作製した場合には著しい失活が認められた.この生食に0.01Mのphosphate buffer (pH6.1, 7.4) を組合せた場合には更に失活が強くなり, 逆に0.25Mのsucroseを組合せると失活は認められなかった.この生食による凍結保存中のMAOの失活はhomoge-nateの希釈度によって異なり4倍, 10倍の希釈度では失活は起らず, 100倍の希釈度になると約40%, 1, 000倍の希釈度になると約80%の失活が認められた.この生食によるMAOの失活は牛脳homogenateの場合でも同様に認められたが, 牛血清MAOの場合には影響は認められなかった.このMAOの失活にはpH (5.5~8.0) の影響は認められなかった.このMAOの失活度は用いた食塩の濃度によって大きく相違し, 0.03%までは影響が認められなかったが, 0.1%で約50%, 0.3%で75%, 1%で85%の失活が認められた.この生食によって凍結保存中に起きたMAOの失活は1夜透析しても全く回復しなかった.

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