Monoamine Oxidaseに関する研究 (第53報) 混合基質実験による牛肝, 牛脳およびヒト胎盤MAOの酵素化学的性質について

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タイトル別名
  • MULTIPLICITY AND ENZYMIC PROPERTIES OF MAO IN BOVINE BRAIN, LIVER AND HUMAN PLACENTA
  • Monoamine Oxidaseに関する研究-53-混合基質実験による牛肝,牛脳およびヒト胎盤MAOの酵素化学的性質について
  • Monoamine Oxidase ニカンスルケンキュウ 53 コンゴウ キシ

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抄録

牛肝, 牛脳, ヒト胎盤ミトコンドリアMAOを酵素材料とし, tyramine, 5-HTおよびbenzylamineを基質としてMAOの基質特異性を検討した.それぞれの臓器MAOはこれら3基質に対して相違した活性比を示し, またこれら3基質に対するpS-曲線もそれぞれの臓器により相違した.混合基質の実験において, 上記3基質のうち, 2つの基質を混合してMAO活性を測定した.その結果, 牛肝MAOではtyramine酸化に対しbenzylamineは競合的に阻害するが5-HTは何ら影響を与えず, またbenzylamine酸化に対しtyramineも5-HTも影響を及ぼさなかった.一方, 牛脳およびヒト胎盤MAOでは, 5-HT酸化はtyramineおよびbenzylamineにより阻害され, またtyramine酸化もbenzylamineによって阻害された.しかし, 5-HTはtyramineおよびbenzylamine酸化には何ら影響を与えなかった.これらの結果より, benzylamine-tyramineは同じ酵素の同じ活性中心に結合して酸化され, その活性中心に対しbenzylamineの親和性が高いためbenzylamineのみが酸化され, そのためtyramine酸化は競合的に阻害されるものと思われる.またbenzyl-amine-5-HT, tyramine-5-HTにおいて, これらの基質を酸化するMAOには少なくとも2つの活性中心があり, tyramineあるいはbenzylamineはその何れの活性中心にも結合するが5-HTはそのうちの1つにのみ結合し, 他の活性中心には結合出来ないものと思われる.

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