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- 横田 正幸
- 昭和大学医学部第二薬理学教室
書誌事項
- タイトル別名
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- OTOTOXIC EFFECTS OF SOME AMINOGLYCOSIDE ANTIBIOTICS ON THE INNER EAR IN GUINEA PIGS
- アミノ ハイトウ タイケイ コウセイ ブッシツ ノ モルモット チョウカクキ
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抄録
アミノ配糖体系抗生物質のVSM, KMおよびGMを成熟モルモット, 片腎摘出モルモットおよび妊娠モルモットに連続的に筋肉内に投与し, モルモット, または分娩された新生仔モルモット聴覚器への影響についてそれらの作用を比較検討した.1) 成熟モルモットに対する影響: VSM 400mg/kgを35日間投与した場合, 全例正常なる耳介反射を示し, 病理組織学的検索でも異常は認められなかった.KM 400mg/kg投与群では全例耳介反射は消失し, 病理組織学的検索でも全例, 蝸牛外有毛細胞は全回転にわたり消失し, 1例ではラセン神経節細胞の消失も認められた.GM 80mg/kg投与群では2例が体重減少を示し, 死亡したが, 残り4例のうち1例は耳介反射が正常であったが, 他の3例はいずれも耳介反射は消失した.病理組織学的検索では, 3例の蝸牛外有毛細胞は2回転後半部迄消失した.2) 片腎摘出モルモットに対する影響: VSM 400mg/kgを右腎摘出モルモットに35日間連続投与した結果, 正常なる耳介反射を示し, 病理組織学的検索でも異常は認められなかった.しかし, KM 400mg/kg投与群では耳介反射は消失し病理組織学的検索でも生存例はいずれも蝸牛外有毛細胞は全回転にわたり消失した.GM80mg/kg投与群では3例が体重減少を示し, 死亡したが, 死亡例, 生存例いずれも耳介反射は消失し, 病理組織学的検索では5例に部分的または全回転にわたる蝸牛外有毛細胞の消失が認められた.3) 妊娠および新生仔モルモットに対する影響: 妊娠モルモットに妊娠初期より分娩直前迄VSM400mg/kgを連続投与した場合, 死亡例は全く認められず, 分娩された新生仔モルモットの耳介反射域値はわずかに増加したが, 病理組織学的検索では異常は認められなかった.KM200mg/kg投与群では妊娠モルモットに死亡例は認められず, 16例の新生仔が分娩され, そのうち11例は耳介反射域値が上昇した.病理組織学的検索では, 全例血管条辺縁細胞の散発的な消失が認められた.GM40mg/kg投与群では2例の妊娠モルモットが死亡し, 残り3例より9例の新生仔が分娩され, うち6例に耳介反射域値の上昇が認められた.病理組織学的検索では全例に血管条辺縁細胞の散発的な消失が認められ, さらに4例では1回転下端部に限局した蝸牛外有毛細胞の最内列の消失が認められた.
収録刊行物
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- 昭和医学会雑誌
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昭和医学会雑誌 37 (6), 535-544, 1977
昭和大学学士会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001204839705216
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- NII論文ID
- 130001823055
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- NII書誌ID
- AN00117027
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- ISSN
- 21850976
- 00374342
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- NDL書誌ID
- 1918464
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- データソース種別
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- JaLC
- NDL
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可