腕神経叢損傷患者におけるヴァーチャルリアリティーボックス使用時の脳内運動中枢活動

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タイトル別名
  • OBSERVATION OF PRIMARY MOTOR CORTEX ACTIVITY AFTER BRACHIAL PLEXUS INJURIES WITH USE OF A VIRTUAL REALITY BOX
  • ワンシンケイソウソンショウ カンジャ ニ オケル ヴァーチャルリアリティーボックス シヨウジ ノ ノウナイ ウンドウ チュウスウ カツドウ

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抄録

ヴァーチャルリアリティーボックス(以下VRB)は箱の中に斜めに置かれた鏡を利用して一方の上肢の動きを両側のように見せる装置である.この装置はラマチャンドランによって1995年発表され,当初切断上肢の鎮痛に使用されていたが,近年はミラーセラピーと呼ばれ片麻痺の運動訓練などに応用されている.著者は腕神経叢損傷患者に応用を試み,再建後の上腕二頭筋や神経回復後の前腕筋でVRB使用時においては筋活動が行いやすく,筋電図上振幅が大きかった.今回脳波による双極子追跡法を利用し,一次運動野における双極子の位置を求め,脳内の中枢活動を検討した.6症例において肋間神経交叉縫合術後の上腕二頭筋および神経回復後の前腕筋をVRBの使用時と非使用時における脳波を計測,加算平均ソフトFocusで処理の後双極子追跡法ソフトBS-naviで解析した.運動準備電位が良好に観察された症例においては,VRBの使用時に患肢の対側の一次運動野においても健側と同様に双極子が観察される所見が見られた.この所見が,本装置を使用した場合に患側においても運動を行いやすい理由になっていると考えた.

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