縦走潰瘍を形成したアミロイド大腸炎の1例

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  • A CASE OF AMYLOID COLITIS COMPLICATED BY THE FORMATION OF A LONGITUDINAL ULCER

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抄録

症例は64歳,女性.慢性関節リウマチの既往あり.心窩部痛と下痢を主訴に近医を受診し,貧血と注腸造影検査での横行結腸の狭窄を指摘され当科を紹介受診した.大腸内視鏡検査で横行結腸,下行結腸にびらん・浮腫を伴う出血性腸炎像と一部に狭窄を認め虚血性腸炎と診断した.TPNを施行するも症状の改善なく,狭窄が増悪していったため,横行結腸・下行結腸切除術を施行した.摘出標本では粘膜の浮腫と広範囲に大きな縦走潰瘍がみられ,病理組織学的に腸管アミロイドーシスと診断した.アミロイドーシスは比較的まれな疾患であるが近年増加傾向にある.消化管はアミロイド沈着の頻度が高く,消化器症状の発現頻度は高率であるが,大腸では特異的な所見に乏しい.今回,われわれはアミロイド大腸炎として発症し,炎症が急速に進行して腸管の狭窄をきたし,広範囲に大きな縦走潰瘍を形成した症例を経験したので報告する.

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参考文献 (19)*注記

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