孤立性に閉鎖リンパ節転移をきたした下部直腸SM癌の1例

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  • A CASE OF SUBMUCOSAL INVASIVE RECTAL CANCER WITH ISOLATED OBTURATOR LYMPH NODE METASTASIS

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抄録

症例は75歳の男性. 平成17年4月排便時出血を主訴に当院を受診した. 大腸内視鏡検査で下部直腸にIIa型病変を認め, 6月9日内視鏡的粘膜切除術を施行した. 病理組織学的所見より中分化腺癌, SM (800μm), ly1, v0と診断されたため, 6月30日低位前方切除術を施行した. 病期はSM, N0 (0/8), H0, M0, P0, Stage Iであった. 退院後, 8月17日に突然の発熱, 意識障害で来院. 腹部CT検査では, 前回CTで血栓性動脈瘤と診断された下部尿管, 左内腸骨動脈近傍の腫瘤の増大を認めた. 腫瘤部より上流の尿管は著明に拡張しており, 尿管閉塞, 急性腎盂腎炎と診断した. 尿管をドレナージ後, 腫瘤精査のためFDG-PET検査, CTガイド下穿刺生検を施行した. 病理組織学的に直腸癌の閉鎖リンパ節転移と診断, その他に病変を認めず, 孤立性転移と考えられた. 化学放射線療法により腫瘍の増大はみられなかったが, 多発肺転移再発による呼吸不全のため平成18年6月16日に原病死した. 直腸SM癌が孤立性に主リンパ節へ転移をきたした例は極めて稀であった.

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参考文献 (16)*注記

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