鳥骨による小腸穿孔の1例

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  • A CASE OF SMALL INTESTINAL PERFORATION BY A CHICKEN BONE

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症例は61歳,男性.右下腹部痛,腹部膨満感を主訴に近医受診.イレウスの診断で当科紹介となった.腹部所見は右下腹部を最強点とする腹部全体の圧痛を認めた.反跳痛はみられなかった.白血球10,150/mm3,CRP 3.76mg/dlと炎症反応を認めた.腹部CTで右下腹部を中心とする腸管の拡張および壁肥厚像を認めた.虫垂炎手術の既往があったため,これに伴う腸閉塞症と考え手術の方針とした.腹腔鏡で腹腔内を観察すると膿性の腹水を認め,腸管を検索すると小腸の穿孔部を認めた.また同部位に突出した鋭利な異物を認めた.小開腹のうえ腸管を引き出し,異物を除去および穿孔部を縫合閉鎖した.異物は術後の問診から鳥骨であると考えられた.本症例については術前診断には至らず,腹腔鏡観察にて診断を得たが,retrospectiveにCTを検討すると,線状のhigh densityが描出されており,この疾患を念頭にいれておく必要があった.

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