多形紅斑が発見契機となった脾原発悪性リンパ腫の1例

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  • A CASE OF MALIGNANT LYMPHOMA OF THE SPLEEN PRESENTED WITH ERYTHEMA MULTIFORME

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症例は74歳,男性.平成17年8月より全身の皮疹が出現し,近医にて加療されていたが軽快再燃を繰り返すため,原因検索目的に平成19年6月当院皮膚科紹介受診.皮疹は多形紅斑と診断.原因として感染症・薬剤アレルギー等は否定された.更なる精査目的行った腹部CT検査で,脾臓に腫瘍性病変を指摘されたため,当科紹介となった.Gaシンチグラフィー,PETにて同部位に集積を認めた.また,血液生化学検査において,可溶性IL-2レセプター抗体・チミジンキナーゼのいずれも陽性.これらの所見より,脾原発悪性リンパ腫と診断し,同年9月腹腔鏡下脾臓摘出術施行.術後1日目より皮疹の軽快を認め,術後3日目には掻痒感が消失,その後多形紅斑は消失した.脾臓の病理診断はdiffuse large B cell lymphomaであった.術後は補助化学療法を施行し現在術後10カ月無再発生存中である.本症例では多形紅斑と脾原発悪性リンパ腫との因果関係が示唆され,脾摘が多形紅斑の治療に極めて有効であった.

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