膵・胆管合流異常症を伴ったLemmel症候群の1例

  • 宮垣 博道
    大阪大学大学院医学系研究科外科学講座消化器外科学
  • 小林 省吾
    大阪大学大学院医学系研究科外科学講座消化器外科学
  • 永野 浩昭
    大阪大学大学院医学系研究科外科学講座消化器外科学
  • 武田 裕
    大阪大学大学院医学系研究科外科学講座消化器外科学
  • 森 正樹
    大阪大学大学院医学系研究科外科学講座消化器外科学
  • 土岐 祐一郎
    大阪大学大学院医学系研究科外科学講座消化器外科学

書誌事項

タイトル別名
  • A CASE OF LEMMEL SYNDROME WITH PANCREATICOBILIARY MALJUNCTION

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説明

レンメル症候群は,十二指腸憩室が胆管炎や膵炎を惹起するまれな病態である.手術治療は重症例もしくは再発例に考慮される.われわれは膵・胆管合流異常症を合併したレンメル症候群を経験したので,文献的考察を加え報告する.<BR>症例は49歳,男性.全身倦怠感,上腹部痛,黄疸および嘔気を主訴に2008年5月当科入院となった.腹部造影CTにて,十二指腸憩室による下部胆管狭窄および胆嚢の壁肥厚を認めた.急性膵炎と胆管炎により発症したレンメル症候群および胆嚢癌疑いと診断した.急性膵炎および胆管炎が軽快した後,憩室切除術,胆嚢肝床部切除術を施行した.術中胆道造影検査にて膵・胆管合流異常症と診断したため,胆管切除,胆管空腸吻合を追加した.術後経過良好にて術後16日目に退院となった.<BR>報告例97例中,69例(71.1%)に手術施行,うち18例は保存的治療の再発例であった.再発および合併症の観点より,手術適応については常に考慮すべきと考えられた.

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参考文献 (6)*注記

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