頭蓋骨転移を契機に発見された甲状腺低分化癌の1例

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  • A CASE OF POORLY DIFFERENTIATED THYROID CARCINOMA FOUND AFTER METASTASIS TO SKULL

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抄録

症例は58歳,男性.左側頭部腫瘤,右片側不全麻痺,記憶障害を主訴に,近医を受診.画像上,左前頭側頭骨を中心に腫瘍がみられ,本学脳外科紹介となった.腫瘍の圧迫による脳ヘルニアを認めたため,緊急的に腫瘍摘出術が施行された.病理組織標本では腫瘍細胞が島状構造を示しており,免疫染色の結果,thyroglobulin,TTF-1,CK7,CK18陽性で,甲状腺癌の頭蓋骨転移と診断され当科転科となった.甲状腺左葉に3×3cmの腫瘤を触知し,頸部CTにて4×3cmの腫瘤を認め,血中thyroglobulinが220ng/mlと高値を示した.穿刺吸引細胞診では,頭蓋骨腫瘍と同様の細胞像が確認され,甲状腺全摘術を施行した.組織像より甲状腺低分化癌と診断された.甲状腺低分化癌は,新しく定義された疾患概念であり,頭蓋骨転移を契機に発見された稀な症例を経験したので文献的考察を加え報告する.

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参考文献 (20)*注記

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