左胃大網動脈瘤の1例

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  • A CASE OF LEFT GASTROEPIPLOIC ANEURYSM

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抄録

症例は53歳, 男性. 既往に48歳時, 胃潰瘍出血にて幽門側胃切除術 (B-I) 施行歴あり. 心窩部痛を主訴に近医受診. 精査にて腹腔内出血と診断され当院へ搬送された. 腹部CTにて上腹部に貯留液と膵尾部から小網の腹側にsentinel clot signを認め急性期の出血が疑われた. 緊急血管造影検査にて左胃大網動脈に3mm大の瘤状の拡張像を認めた. 明らかな出血像は認めなかった. 以上より左胃大網動脈瘤破裂と診断した. 全身状態が比較的安定し出血がコントロールされている為, 保存的に経過観察し待機手術の適応とした. 手術は左胃大網動脈瘤切除術を施行した. 左胃大網動脈からの大網枝に径20mm大の動脈瘤を認め切除した. 切除標本の病理所見では仮性動脈瘤と診断された. 経過良好で, 術後7日目に退院となった. 内臓動脈瘤の破裂の中で全身状態が安定している場合は待機手術可能例もあるが, 迅速な診断と治療適応の判断が必要であると考えられた.

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