頸部手術に伴い発生した術後乳糜瘻に対する治療例の検討

書誌事項

タイトル別名
  • Treatment for Postoperative Chylous Fistula following Neck Surgery
  • 臨床経験 頸部手術に伴い発生した術後乳糜瘻に対する治療例の検討
  • リンショウ ケイケン ケイブ シュジュツ ニ トモナイ ハッセイ シタ ジュツゴニュウビロウ ニ タイスル チリョウレイ ノ ケントウ

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説明

頸部手術の際,胸管損傷により発生する乳糜瘻の頻度は1.0-2.5%と報告されており,低頻度ではあるが起こりうる.しかし,本邦における報告は極めて限られていて,詳細は不明である.われわれが行った380例の甲状腺癌手術,頸部リンパ節手術症例を対象に検討した.頸部郭清を伴う甲状腺乳頭癌手術症例は314例で,うち5例(1.6%)に,また頸部リンパ節生検や摘出術は66例あり,うち2例(3%)に術後乳糜瘻が発生した.いずれも左側の頸部郭清やリンパ節生検であった.乳糜胸水を認め胸腔ドレナージを要した症例は2症例であった.治療は,軽度な症例は脂肪食制限のみで治癒したが,一方で再開創・胸管結紮を行い治癒した症例は5例あった.近年,オクトレオタイドによる全身治療で治癒した2症例を経験した.オクトレオタイドは安全で有効な治療法と思われた.

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