腸間膜乳び浮腫および乳び腹水を呈した成人原発性小腸軸捻転の1例

書誌事項

タイトル別名
  • A case of volvulus of the small intestine in adult with chylous ascites and mesenteric edema
  • 症例 腸間膜乳び浮腫および乳び腹水を呈した成人原発性小腸軸捻転の1例
  • ショウレイ チョウ カンマクニュウビ フシュ オヨビ ニュウビ フクスイ オ テイシタ セイジン ゲンパツセイ ショウチョウジク ネンテン ノ 1レイ

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抄録

症例は22歳,男性.食後3時間での急激な腹痛・嘔吐を主訴に受診した.造影CTにてwhirl signを認めた.腸間膜は広範に強い浮腫状変化を呈し,上腸間膜静脈の怒張を認めた.小腸軸捻転による絞扼性イレウスの診断で同日緊急手術を施行した.腹腔内に中等量の乳び腹水を認めた.小腸は上腸間膜動脈起始部で反時計回りに270~360度捻転していた.Treitz靱帯から90cm~660cmまでの小腸間膜は白色調で著明な浮腫により肥厚していた.腹腔内を検索したが原因疾患は認めず,原発性小腸軸捻転による絞扼性イレウスと診断した.捻転を用手的に解除したところ腸管の虚血や壊死は認めなかったため腸切除は施行せずに閉腹した.術後経過は良好で術後9病日で軽快退院となった.退院1カ月後の造影CT,腹部超音波検査では腸間膜の浮腫は改善しており,原発性の小腸軸捻転と確定診断した.成人発症の原発性小腸軸捻転で乳びを伴う例は非常にまれで過去に4例の報告があるのみである.

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参考文献 (14)*注記

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