腸管逆回転症に発症した胃癌の1例

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Gastric Cancer with Reversed Intestinal Rotation
  • 症例 腸管逆回転症に発症した胃癌の1例
  • ショウレイ チョウカン ギャクカイテンショウ ニ ハッショウ シタ イガン ノ 1レイ

この論文をさがす

抄録

症例は74歳,男性.上腹部痛を主訴に近医を受診し,胃癌を認めたため当科紹介受診となった.腹部CT検査所見上,上腸間膜動脈が十二指腸水平部の背側を走行し,多脾症と膵低形成を認めた.CT colonography所見上,大腸は腹腔内の右側に位置し,上行結腸と下行結腸の位置が逆転していた.血管構築では下腸間膜動脈と胃十二指腸動脈が欠損し,総肝動脈が上腸間膜動脈より分岐していた.以上の所見より,腸管逆回転症に発症した胃癌の診断で胃全摘,D2郭清,Roux-Y再建を施行した.患者は術後18日目に退院した.画像検査の発達した現在では,従来の造影検査以外にも有用な検査が多いため,術前より詳細な検討が可能であった.本症例においては消化管造影やCT検査以外に,CT colonographyが腸管逆回転症の診断に有用であり,またCT angiographyが血管の走行を把握する上で有用であった.

収録刊行物

被引用文献 (2)*注記

もっと見る

参考文献 (3)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ