IPMNと多房性嚢胞形成性グルカゴノーマが併存した1例

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タイトル別名
  • A case of intraductal papillary mucinous neoplasm with multilocular cyst-forming glucagonoma
  • 症例 IPMNと多房性嚢胞形成性グルカゴノーマが併存した1例
  • ショウレイ IPMN ト タボウセイノウホウケイセイセイ グルカゴノーマ ガ ヘイソン シタ 1レイ

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抄録

症例は71歳,女性.平成20年6月,腹部不快感を自覚し,腹部超音波にて膵体部と膵尾部の嚢胞性病変を指摘され経過観察となっていた.平成21年12月のCTにて膵尾部病変が軽度増大しており,精査目的に入院となった.EUS:膵体部病変は内容均一の嚢胞構造を示し,膵尾部病変は多房性で隔壁構造を認めた.CT:膵体部病変(22.5×19mm)は壁が薄く,辺縁に微細な嚢胞が散在しており,膵尾部病変(17.5×16.5mm)は厚めの被膜・隔壁構造を有していた.MRCP:2つの嚢胞性病変は多房性であり,主膵管との交通は認めなかった.ERCP:主膵管と嚢胞性病変との交通はなく,主膵管拡張も認められなかった.平成22年4月に手術を施行した.病理診断の結果,膵体部病変が分枝型IPMN,膵尾部病変がグルカゴン産生膵島腫瘍と診断された.IPMNには種々の腫瘍が合併することが知られており,嚢胞性であっても内分泌腫瘍の存在も念頭に置き精査を進めるべきであると考えられた.

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参考文献 (11)*注記

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