腹腔鏡にて診断した大網梗塞の1例

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  • A CASE OF OMENTAL INFARCTION DIAGNOSED BY LAPAROSCOPE-ASSISTED SURGERY

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症例は27歳,男性.数日前から上腹部痛を認め,平成22年8月当院救急外来を受診した.右上腹部に限局した腹膜刺激症状を認めた.CTで胃前庭部の大網脂肪濃度上昇を認め,大網梗塞が疑われた.当院内科に入院し,保存的治療を行ったが,痛みが増強し,入院2日後に当科紹介となった.CTで大網脂肪濃度上昇は増悪し,腹水を認めた.大網梗塞の疑い,限局性腹膜炎の診断で緊急手術となった.腹腔鏡下に手術を開始した.胃前庭部大網に小児手拳大の暗赤色の腫瘤を認めた.出血,捻転の所見は認めず,大網梗塞と診断した.腫瘤直上で8cmの小開腹を行い,腫瘤を可及的に切除した.病理組織学的所見では大網脂肪組織にびまん性炎症細胞浸潤を伴い,広範囲にうっ血,壊死を認め,大網梗塞と診断された.急性腹症を呈する稀な疾患である大網梗塞の1例を経験した.

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