術前診断し腹腔鏡手術を施行した胃神経鞘腫の1例

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  • A CASE OF LAPAROSCOPIC RESECTION OF GASTRIC SCHWANNOMA DIAGNOSED PREOPERATIVELY

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抄録

症例は47歳,女性.検診の上部消化管内視鏡検査にて胃体中部大弯に40mm大,中心陥凹を伴うcushion sign陰性の粘膜下腫瘍を認め,1年前より増大傾向にあったため当院へ紹介となった.超音波内視鏡下穿刺吸引生検にて間葉系腫瘍を認め,免疫組織染色ではS-100蛋白陽性,α-SMA陰性,c-kit陰性,CD34陰性であったことから胃神経鞘腫と術前診断し,腹腔鏡下胃局所切除術を施行した.腫瘍径は40×40mm大,紡錘形細胞が束状に増殖し,S-100蛋白陽性,Desmin陰性,α-SMA陰性,c-kit陰性,CD34陰性であった.異型性は軽度で核分裂像はほとんど認められず,良性胃神経鞘腫と診断した.術後経過は良好で,7カ月間の経過観察では現在のところ再発を認めていない.胃神経鞘腫に対する明確な治療方針は示されていないが,良性であることが多く悪性例でもリンパ節転移が少ないことから,手術適応例については低侵襲な腹腔鏡手術が有用であると思われる.

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