頸部食道損傷に対し損傷部閉鎖,傍正中気管切開で救命した1例

  • 森脇 義弘
    横浜市立大学市民総合医療センター高度救命救急センター
  • 豊田 洋
    横浜市立大学市民総合医療センター高度救命救急センター
  • 小菅 宇之
    横浜市立大学市民総合医療センター高度救命救急センター
  • 鈴木 範行
    横浜市立大学市民総合医療センター高度救命救急センター

書誌事項

タイトル別名
  • A CASE OF CERVICAL ESOPHAGEAL TRANSMURAL INJURY DUE TO INGESTION OF A GLASS-BOTTLE PIECE TREATED BY SIMPLE CLOSURE AND OPEN PARAMEDIAN TRACHEOSTOMY

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抄録

ガラス片誤飲による咽頭喉頭頸部食道全層性損傷に対し,損傷部単純閉鎖,経頸部血管鞘的上縦隔ドレナージと傍正中アプローチによる気管切開により,頸部手術創と気管切開創との相互汚染を回避しえた症例を経験した.47歳,男性.統合失調症で入院中,ガラスビンの破片を誤飲し,呼吸循環動態は安定していたが,頸胸部CTで頸部食道にガラス片とこれから連続する深頸部気腫を認めた.手術時,ガラス片は胃内に落下しており,開腹下胃切開異物摘出,胃瘻造設,頸部食道損傷部縫合閉鎖,深頸部縦隔ドレナージ,傍正中気管切開を行った.胸鎖乳突筋前縁の斜切開から頸部食道に至りこれを反転し背側の損傷部を縫合閉鎖し,経頸部血管鞘的に持続吸引バッグ付きドレーンを留置した.気管切開の創は頸部手術創と反対側の傍正中とした.術後気管支鏡検査,CTでは,気管切開チューブは斜め方向から挿入されているのが観察されたが,気管切開チューブ交換は容易であった.

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参考文献 (13)*注記

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