牛角による外傷性腹壁ヘルニアの1例

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タイトル別名
  • A case of traumatic abdominal wall hernia caused by a horn of cattle

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抄録

症例は68歳,男性.平成21年1月に左上腹部を肉牛の角で突かれ受傷した.同日近医を受診したが腹部打撲と診断され帰宅し,疼痛続くため翌日当院を受診した.来院時,左上腹部に12×10cm大の皮下出血を伴う膨隆を認めた.腹部CT検査にて腹直筋の損傷部から小腸の腹腔外への脱出を認め,外傷性腹壁ヘルニアの診断で同日入院・緊急手術となった.手術は正中切開にて開腹し,左上腹部の皮下出血の直下に約5cmの腹壁欠損があり,上部空腸の嵌頓を認めた.腹水・腹腔内出血はなかった.小腸腸間膜に絞扼による血腫を認めたが,壊死の所見はなく,小腸を切除することなく用手的に腹腔内へ還納した.腹膜・腹横筋・腹直筋をそれぞれ縫合し,閉腹して手術を終了した.術後経過は良好で15日目に軽快退院した.<BR>今回われわれは,CT検査が診断に有用であった牛角による外傷性腹壁ヘルニアの1例を経験したので報告する.

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参考文献 (13)*注記

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