外傷性小腸穿孔を契機に発見されたCrohn病の1例

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Crohn's Disease Detected after Traumatic Perforation of the Small Intestine
  • 症例 外傷性小腸穿孔を契機に発見されたCrohn病の1例
  • ショウレイ ガイショウセイ ショウチョウ センコウ オ ケイキ ニ ハッケン サレタ Crohnビョウ ノ 1レイ

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抄録

症例は39歳,男性.子供に逆上がりを教えていた際に鉄棒で下腹部を強く打った.痛みは消失していたが,夕食後より下腹部痛および嘔吐が出現し,前医を受診した.経過観察目的に入院していたが,翌朝より高熱が出現し,腹部CTにて微量の遊離ガスを認め,当科紹介受診となった.消化管穿孔と診断し,緊急手術を施行した.回腸に約30cmにわたり浮腫状で発赤を伴う腸管および腸間膜の肥厚を認めた.その他の腸管には異常を認めず,小腸切除を施行した.切除標本では腸間膜付着部に沿って縦走潰瘍を認め,外傷により微小穿孔が起こったものと考えられた.病理所見で類上皮細胞性肉芽腫と全層性の炎症性細胞浸潤を認め,Crohn病と診断した.<BR>Crohn病の患者では比較的低エネルギーの外傷でも腸管穿孔を起こし得ると考えられ,低エネルギー外傷による腸管穿孔の患者では稀ではあるが,Crohn病も念頭に置きながら診察を行う必要がある.

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