回盲部およびS状結腸が嵌頓し絞扼・穿孔した巨大鼠径ヘルニアの1例

書誌事項

タイトル別名
  • A patient with a giant inguinal hernia who presented with strangulated ileus caused by incarceration of the ileocecum and sigmoid colon
  • 症例 回盲部およびS状結腸が嵌頓し絞扼・穿孔した巨大鼠径ヘルニアの1例
  • ショウレイ カイ モウブ オヨビ Sジョウ ケッチョウ ガ カントンシコウヤク ・ センコウ シタ キョダイ ソケイ ヘルニア ノ 1レイ

この論文をさがす

抄録

症例は69歳,男性.慢性腎不全にて透析中.2009年頃より左鼠径部膨隆を自覚し,徐々に増大した.2011年2月某日腹痛・嘔吐を自覚.翌日ヘルニア嵌頓の診断にて当科へ紹介となった.左鼠径部は小児頭大に腫脹し発赤していた.CTにて左陰嚢内に嵌頓する腸管およびfree airを認め左鼠径ヘルニア嵌頓・陰嚢内腸管破裂と診断,緊急手術を行った.回盲部およびS状結腸が入り込み嵌頓し,回盲部の腸管が壊死し穿孔していた.回盲部切除を行った後,McVay法にて鼠径ヘルニア根治術を施行し,回腸人工肛門を造設した.術後人工呼吸器管理下にエンドトキシン吸着療法および持続的血液濾過透析を要した.術後59日目に退院した.巨大鼠径ヘルニアにおいてはヘルニア内容が嵌頓・絞扼を起こし緊急手術・腸切除を行った報告も散見される.回盲部が左側に脱出し,S状結腸と併せて陰嚢内に入り込み嵌頓したという症例は極めてまれであると考えられた.

収録刊行物

被引用文献 (3)*注記

もっと見る

参考文献 (11)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ