小児腹腔鏡下虫垂切除術および待機治療の効用

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タイトル別名
  • Treatment of Acute Appendicitis in Children : the Usefulness of Laparoscopic Immediate Appendectomy and Interval Appendectomy
  • ショウニ フククウキョウ カ チュウスイ セツジョジュツ オヨビ タイキ チリョウ ノ コウヨウ

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抄録

小児急性虫垂炎に対する治療法とその有用性を検討する目的で,急性虫垂炎と診断した510例の後方視的検討を行った.手術は急性期の虫垂切除(IMA)が485例(95.1%),待機手術(IA)が25例(4.9%)に行われた.IMAは420例(86.6%)で腹腔鏡下法が選択され,うち5例が開腹法に移行した.手術合併症はuncomplicated appendicitisで4.0%,complicated appendicitisで19.3%に認められ,腹腔鏡下法の導入初期には腹腔鏡関連の合併症が経験された.一方,IAでは3例が待機中に腹痛を再燃したが,保存的治療が全例に有効で,手術により虫垂カルチノイドとMeckel憩室炎各1例が含まれることを確認した.またIA例では虫垂切除時の腸管の漿膜損傷以外に手術合併症を経験しなかった.以上から,小児急性虫垂炎では腹腔鏡下虫垂切除術がIMAの標準術式として確立し,腫瘤・膿瘍形成例においてはIAがIMAの手術合併症を回避するのに有用と考えられた.

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