虫垂炎術直後に発症した大網脂肪織炎の1例

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Omental Panniculitis Associated with Appendectomy
  • 症例 虫垂炎術直後に発症した大網脂肪織炎の1例
  • ショウレイ チュウスイエンジュツ チョクゴ ニ ハッショウ シタ ダイモウ シボウショクエン ノ 1レイ

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抄録

症例は54歳,女性.海外旅行中に腹痛を自覚し,医療機関を受診.現地で急性虫垂炎と診断され,開腹虫垂切除術を受けた.帰国後,術後4日目から発熱と腹痛を認め,近医を受診し,汎発性腹膜炎の疑いにて当科に紹介となった.腹部造影CT検査では,大網脂肪織の混濁と心嚢液,胸腹水貯留を認めた.このため大網脂肪織炎と診断し,腹膜刺激症状を強く認めたため,緊急手術を施行した.開腹すると漿液性腹水を,さらに大網の著明な腫大と硬化を認めた.また,虫垂断端部に異常は確認できなかった.このため大網が炎症の主座と判断し,大網切除,腹腔ドレナージ術を施行した.病理組織学的検査では,大網に強い好中球浸潤とフィブリン析出を認め,大網脂肪織炎に矛盾しない所見であった.術後経過は良好で約2週間で退院となった.大網原発の脂肪織炎の報告例は散見される程度しか存在せず,手術直後に発症した症例は稀である.文献的考察を加えて報告する.

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