腹直筋鞘前葉反転法にて修復した胃癌・大腸癌を伴う腹壁瘢痕ヘルニアの1例

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Incisional Ventral Hernia with Gastric and Colonic Cancer Repaired Using the Bilateral Anterior Rectus Abdominis Sheath Turnover Flap Method
  • 症例 腹直筋鞘前葉反転法にて修復した胃癌・大腸癌を伴う腹壁瘢痕ヘルニアの1例
  • ショウレイ フクチョクキン サヤ ゼン ヨウ ハンテンホウ ニテ シュウフク シタ イガン ・ ダイチョウガン オ トモナウ フクヘキハンコン ヘルニア ノ 1レイ

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説明

腹壁瘢痕ヘルニア修復手術では,消化管吻合を伴う場合には人工物は感染リスクが高く使用が困難である.今回,われわれは巨大腹壁瘢痕ヘルニアを伴った消化管悪性腫瘍手術において,腹直筋鞘前葉反転法を用いて修復した.症例は83歳,男性.二度の腹部手術後の創感染と創離開歴があり,ヘルニア門が12×17cmの巨大腹壁瘢痕ヘルニアを認めた.その後,横行結腸癌の内視鏡的粘膜切除後瘢痕から局所再発を認めた.さらに,幽門狭窄症状を伴う胃癌を診断され,幽門側胃切除術および横行結腸切除術に加え,巨大腹壁瘢痕ヘルニア修復術を施行した.腹壁欠損部が大きく,直接縫合が不可能で人工物を使用しない場合の腹壁瘢痕ヘルニア修復術に用いられるcomponents separation法でも腹壁の閉鎖困難と判断し,腹直筋鞘前葉反転法での修復を行った.人工物使用を避けたい腹壁瘢痕ヘルニア修復術において有用な選択肢の一つと考えられた.

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